視線の残酷さ(発症から1年1ヶ月)

 

 プロトピックやステロイドで抑え込んだはずの顔の炎症は間を開けずにぶり返し、そのほかにも、人の目に触れる腕や首、脚などにも炎症は容赦なく広がり始めました。この頃から治療は長く暗い迷路に突入します。結果的にダニ撃退プロジェクトが何の効果もなかったわけで、治療方針は振り出しに戻ったわけですから。

 子供の頃に言われていた「ステロイドは劇薬なので、本当に酷いときにほんの少しだけ」が頭にすり込まれていた私は、この頃のステロイドの使い方に関して、間違えていたと今は思います。炎症が酷くなって我慢できなくなったら、その部分に薄く塗る。2日間くらい塗って、やや治まったなと思ったら塗るのを止める。でもまた3日と空けずにぶり返すので、また2日間くらい薄く塗る。

 

 この塗り方では炎症が繰り返すに決まっているのですが、当時の私は分からなかったんですよね。


 炎症は、もはや人の目は騙せないほどの規模になってきました。顔はまだら模様のように腫れ、道路を歩けばすれ違いざまに目で追われ、電車の中では凝視されるという日々。人々の純粋で残酷な視線にどれだけ疲れ、傷ついたことか。

「見る」という単純で何気ない行為は、相手を深く傷つけ、大きなダメージを与える攻撃にもなるのだな、と思い知らされた頃でした。

 そんな残酷な人々の視線に疲れ、深刻な痒みと皮膚の爛れに悩み、仕事は休めない日々。当然のことながら、心身の療法に疲れが溜まり始めます。最低限、人の視線からだけでも逃れたくて、外出時には大きなマスクを付け、真夏でも長袖のタートルネック、長いスカートやパンツで脚も隠すという重装備でいつも外出していました。暑くて汗をかき、皮膚はさらに痒みを増して大変でしたが、人の目に晒されることの苦痛に比べたら我慢できることだったんです。

 

 

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